広い空

心のままに話せる場所

小説

あなたは猫で

あなたがヒトだったらどれだけよかっただろう? あなたと私が同じ猫だったら、出会えてましたか? あなたと私はヒトと猫という種別でしか出会うことができなかったのだろうか。 あなたのそのきれいな青い目。 透き通るような青い目で私を見るあなたが愛しい…

明日の私、明日の暮らし

夏も過ぎ、やがて過ごしやすい涼しい秋がやってくる。 私は夏があまり好きではない。 だって、夏って暑いでしょ。 太陽は否応なしに照り付けて、肌や髪をじりじりと焦がし、しまいには体力までも奪っていく。 私が子供の頃の夏はここまで暑かったという記憶…

空想家の僕とモフモフのお腹

外はとても気持ちよく晴れていて、今日も通勤するひとたちの車が行きかう。 エアコンのきいた部屋から、いつものように車の音を感じる。 僕は今日も一人過ごす。 僕が外界との関わりをたって、どれくらいたつだろう。 親も別に僕が外に出ないことをなんも気…

青空と箱の中の猫

目をこすりながら起きる。 これが僕の日常の幕開けだ。 これだけ暑い日が続くと、エアコンをつけないと寝られやしない。 おまけに、こんな暑い季節に部屋を冷やして毛布をかぶって寝るというのがこの上ないほどの贅沢であり、至福なのだ。 というわけで、お…

ある青春の1ページ

ある朝、夢を見て起きた。 それは、懐かしい胸の奥がキュっとなるような、学生時代の恋の記憶。 平凡な毎日を淡々と過ごす私は45歳の、どこにでもいるような主婦。 家事をして、生意気盛りの子供にやきもきして、聞いてるんだか来てないんだかわからない旦那…