あなたがヒトだったらどれだけよかっただろう?
あなたと私が同じ猫だったら、出会えてましたか?
あなたと私はヒトと猫という種別でしか出会うことができなかったのだろうか。
あなたのそのきれいな青い目。
透き通るような青い目で私を見るあなたが愛しい。
あなたに触れるたび、私は幸せと切なさを感じるのです。
どうして、あなたは猫なの?
こんなに愛しいのに。
あなたが猫である限り、私がヒトである限り、私はあなたをこの腕に抱きしめていたい。
あなたが家を飛び出し、外の世界を楽しんで私の元に帰ってきてくれる限り。
私はあなたを一生守ります。
今日も、無事に私のところに帰ってきてくれてありがとう。
雨、降ってたね。
濡れちゃったね。
寒くなかった?
誰にも傷つけられなかった?
私のこと、思う時間はあった?
無事帰ってきてくれたあなたを抱きしめるたび、私の心の中はあなたへの言葉でうめつくされる。
ほんとうは、あなたにも私と同じ食事をさせてあげたいのよ。
でもね。
猫として生きるあなたには、私と同じ食事は毒でしかないから。
ごめんなさいね。
あなたのその柔らかな体をなでるたび、今日もあなたを愛しく感じる。
あなたのその透き通る青い目と見つめ合うたび、幸せを感じる。
あなたはツンデレだから。
私に甘えてくれるけど、私から手を差し伸べようとするとちょっと怒るわね。
でもね、知ってるんだ。
私が寝てると、静かに私に寄り添って寝ること。
だからね、私も寝たふりして寝返り打ちながらあなたのことそっと抱き寄せるの。
その瞬間がとてつもなくうれしいの。
あなたが素直に私に抱きしめられてくれる瞬間がから。
あなたは小さなころから私に寄り添ってたよね。
ねぇ、もしかして前世でも私たちは知り合いだったのかな。
あなたは猫だけど、ときどき猫らしさを感じないのよ。
きっと、私のこと見守ってくれてるときなのね。
ねえ。
もし、あなたがヒトで私が猫だったら、あなたは私を飼ってくれる?
私を大事にしてくれる?
次の人生で巡り合うことができるなら、また一緒に生きることができるなら私も猫になりたい。
そのときのあなたは、ヒトかしら?猫かしら?
楽しみね。
私が猫になった目印、伝えておくね。
今の私の目と同じ、焦げ茶色の目であなたに微笑む猫がきっと私よ。
覚えておいてね。
毛色はきっと黒ね。
黒髪が好きなのよ。
多分、あなたがヒトに生まれ変わったら、あなたはきっと外国人じゃないかしら。
きれいなブラウンヘアで、少しアジアの血が入ったきれいな青い目の色白なひと。
来世がとても楽しみね。
きっと、私を見つけてね。
私もあなたを見つけるから。